COLUMN製造コラム

愛知県で高まる鋳物加工の需要とは?自動車・工作機械を支える金属部品の役割

モノづくり県・愛知を支える鋳物加工

愛知県は、自動車を中心に、工作機械、鉄鋼、航空宇宙、産業用ロボットなど、幅広い製造業が集積する地域です。2023年の製造品出荷額等は58兆218億円で、全国の約15.5%を占めています。こうしたモノづくりを部品の段階から支えているのが、鋳物加工や金属加工を行う企業です。

鋳造とは、鉄やアルミニウムなどの金属を溶かし、目的の形をつくった鋳型へ流し込んで固める加工方法です。切削だけでは材料の無駄が多くなる複雑な形状や、内部に空間を持つ部品、大型部品などにも対応しやすい特徴があります。

愛知県では、鋳造後の切削、研削、穴あけ、表面処理まで含めた高精度な鋳物加工が求められています。

自動車から産業機械まで広がる鋳物の用途

自動車産業では、エンジンや駆動系のケース、タービンハウジング、ブラケット、ポンプ部品などに鋳物が使われています。軽量化が必要な部品にはアルミニウム合金、強度や振動吸収性が求められる部分には鋳鉄、熱や腐食に耐える必要がある部分には耐熱鋳鋼やステンレス鋳鋼などが検討されます。日本鋳造工学会でも、自動車用部品、工作機械のベッド、ロボットのベースなど、幅広い鋳物の活用事例が紹介されています。

ローラーチェーンや歯車も、工場の搬送設備、生産機械、農業機械などを支える重要な機械部品です。ただし、すべてが鋳物でつくられるわけではなく、必要な強度や精度によって、鋳造、鍛造、切削、熱処理などを使い分けます。

そのため、部品名だけで加工方法を決めず、荷重、回転数、使用温度、耐食性、数量などを整理することが重要です。

短納期・小ロット・海外調達への対応

愛知県の製造現場では、量産品だけでなく、試作品、補修部品、生産終了品、専用機部品などの小ロット製造にも需要があります。特に設備が停止した際の交換部品では、短納期での鋳物加工や金属加工が求められます。

短納期を実現するには、図面を受け取ってから加工方法を考えるのではなく、材質、鋳造方法、加工基準、寸法公差、検査方法を早い段階で決めることが重要です。既存品から寸法を測定して図面化するリバースエンジニアリングも、古い機械の補修に役立ちます。

コストを抑える方法として海外調達もありますが、価格だけで判断すると、品質のばらつきや納期遅延が問題になる可能性があります。国も製造業の調達について、自然災害や地政学的問題などによる供給停止リスクへの備えを求めています。

国内での高精度加工と海外調達を適切に使い分けることが、品質、価格、納期を両立するポイントです。

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